〒104-0045 東京都中央区築地四丁目1番1号
代物弁済は、契約です。
本来の契約内容のうち、弁済の目的物を変更する合意ともいえます。
よって、たとえ代わりの弁済物がどんなに高価でも、債務者が代物弁済をするには、「債権者の承諾」が必要です(民法482条)。
本来の弁済方法がお金での支払の場合、お金での返済を望む債権者に、債務者が一方的に不動産や宝石などを押しつけて債務を消滅させることはできません。
また、債権者の側から「お金の代わりにこの不動産をもらう」と言い出したとしても、債務者との合意がなければ代物での弁済は受けられません。
≪原則≫両当事者の共同申請
@債権者(代物弁済で不動産を取得する人)と債務者(代物弁済で不動産を失う人)が代物弁済の合意をし、かつ、
Aその合意内容に沿った登記申請をする決断をし、
B登記に必要な書類を各当事者ご本人の意思でご提供いただける場合に、
登記を申請できます。
≪例外≫判決等による単独での申請
過去に代物弁済の合意が成立したものの、一方が登記に応じず裁判になった場合、判決により他方当事者が単独で登記を申請できる場合もあります。
本訴判決のほか、調停調書など判決と同等の効力がある書面がある場合も同様です。
この場合、判決の主文の記載文言が最も重要です。裁判で勝てば相手方の協力がなくても登記ができるかというと、そうとも限りません。
弁護士や司法書士に訴訟代理を依頼せずご自身で登記請求訴訟を起こされる方は、提訴前に、訴状の書き方につき司法書士へご相談されることをおすすめします。
(1)第三者の抵当権の登記がある場合
住宅ローンや事業融資の借入などがまだあり、抵当権(根抵当権)の登記が残っているときは、所有権移転登記申請前に、銀行など金融機関に相談をするべきです。
多くのローン条項では、債務が残っている間は所有権を他の人に移転することを禁じていたり、金融機関の承諾を要するとされています。もし、銀行に何の相談もせず移転登記をすると、取得した人が不利益を受けるおそれがあります。
(2)各種税金がかかるケース
譲渡所得税、債務免除益による法人税、贈与税、不動産取得税、消費税が発生することがあります。
詳しくは、収税機関(都税事務所、県税事務所、税務署など)か、税理士の先生にお問い合わせください。
(3)代物と本来債務の価値の比較
代物弁済により消滅させる債権と、代物の実勢価格は、ぴったり一致しなければいけないわけではありません。多少の誤差があっても(たとえば債権額1000万円のところ、実勢価格1010万円の不動産で代物弁済する場合)、当事者の合意により有効に代物弁済ができます。
しかし、判例によると、代物があまりにも高すぎる場合は暴利行為として公序良俗に反し、代物弁済が無効(民法90条)になることがあります。
例えば、本来の金銭債務35万円のところ、300万円相当の不動産を代物弁済したところ、判例により無効とされた例があります。
ある程度の価格差は当事者間の契約自由の範囲内ですが、あまりにも価格差が大きく公序良俗違反のおそれがあると言わざるをえない場合は、代物弁済は実質的に無効であると判断し登記申請はお勧めしない場合もあります。
詳しくは、ご相談時に詳細をお知らせください。
〒104-0045
東京都中央区築地四丁目1番1号
東劇ビル4階
TEL (只今、大変多くのご依頼が進行中につき、中国語対応電話の公開を停止しています。)
service2.htmlへのリンク